比較文学比較文化の教育現場と将来
——日本と韓国における社会調査
私たちの研究チームは、2021年—2023年度にかけて、「比較文学比較文化研究の理論と教育の相互作用に関する総合的研究」という研究テーマのもと、日本と韓国において、比較文学・比較芸術・比較文化などの授業が、大学と大学院においてどのように展開されているのか、初めて社会調査を実施し、その成果をまとめた。この社会調査は、二つの方法による。
1)日本と韓国の大学・大学院の比較関連授業のシラバスを網羅的に収集し、その傾向を分析。
2)上記1)の結果に基づき、日本で比較関連授業を担当する教員に対するアンケートを実施し、
その結果を分析。
それによって、現今のグローバル時代において、国境や領域を横断する性質をもつ比較関連教育が多くの可能性をもっていることが再認識されると同時に、外国語力の涵養の難しさや、文学自体に対する興味の惹起の必要性、比較文学の学問的プレゼンスの課題など、多くの興味深い現状が浮かび上がってきた。人文学と教育全般に関わる問題も多分に含み、今後、学界におけるさらなる議論が必要であろう。
ここでは、上記共同研究の調査結果を二件、公表する。
- 1 『「比較研究とは何か」を語る二つの視座』東京大学ヒューマニティーズセンター
- (ブックレット、Vol.21)2023年5月
- (今橋映子研究代表「比較文学比較文化研究の理論と教育の相互作用に関する総合的研究」2021年10月—2022年9月報告書、上記5名共著)(東京大学学術機関リポジトリより、無料ダウンロード可能)
- 2 「比較文学比較文化の教育現場と将来——日本と韓国における社会調査(最終報告)」
- (2024年8月)
- 1)日本比較文学会全国大会ワークショップの記録 =PDFリンク
「比較文学比較文化の教育現場と将来——シラバス調査と社会調査を踏まえて」上記5名発表、2023年6月10日、於東京外国語大学- 2)社会調査最終報告の結果データ集(町田樹作成)=PDFリンク
- 1)日本比較文学会全国大会ワークショップの記録 =PDFリンク