展覧会&カタログ評院生委員会

[おすすめ]着物に咲いたモダニズム--バラが彩る明治・大正・昭和--

・会期:2012年4月5日〜4月24日
・会場:ミキモト本店6階・ミキモトホール
・評者:伊藤 由紀

永本ツカサ氏のアンティーク着物のコレクションから、バラを描いたものばかり約100点を展示しています。ブレイクの詩を引用した羽裏や、ウエストミンスター寺院の柄の銘仙など、西洋的モチーフの取り入れ方がとても面白かったです。ただ、個別の出品物へのキャプションが一切ないため、年代や技法、モチーフの組み合わせなど、いろいろ疑問が残りました。

その後、永本氏ご本人が、今回の展示の企画段階から会期中の現在までの経緯をブログに書いておられるのを発見しました。キャプションをつけないと決めた理由も書かれてあって、ならば納得せざるを得ません。代わりに永本氏が毎日2回(14時〜/16時〜)会場を回りながら作品解説をしておられます。

企業の名前を前面に出した会場で、これだけ企画者の自由裁量で展示ができるとはちょっと思っていなかったので、ミキモトさんの懐の深さに感服しました。ただ、企画者本人による作品解説が毎日行われること、そこまで含めての展示だということは、公式サイトに書いておいてほしかったです。

もう会期も残り2日ですが、足を運ばれる方はぜひ作品解説の時間に合わせてお出かけください。

投稿者: 東大比較文學會 日時: 2012年4月23日 06:23

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