オーラルヒストリー:比較文学者に聞く

趣 旨

 比較文学がフランスに始まって約150年、日本でも80年近くなろうという今、学問史の記述が単に文献研究でなく、「比較文学者」という存在を通じてなされることも重要であろう。これまでに、日本のこの分野で最もまとまったオーラルヒストリー(口述史)は、『亀井俊介オーラルヒストリー——戦後日本における一文学研究者の軌跡』(研究社、2017年)である。
 こうした貴重な仕事に学び、比較文学の醍醐味を引き出すさらなる試みを、広くここに公開する。

1 川本皓嗣(聞き手・編:菊田怜央)

川本皓嗣(1939– 日本学士院会員)は、日本における比較詩学の第一人者。日本比較文学会会長、国際比較文学会長を務めて、内外の比較文学研究と教育に重要な業績を残してきた。若手研究者が、その学問と人生、人物に迫る。

(1) 2024年2月24日=PDFリンク

音楽に支えられた詩への興味/英文法青年になる/詩との出会い、フランス語の学び/昼夜を逆転して本を読む/卒論でラシーヌ、修論でヘミングウェイ/鈴木信太朗訳に対する「フォーヌの午後」評釈

(2) 2024年3月25日=PDFリンク

前回の落穂拾いから/フランス語科助手、英語科講師に/英語科助教授時代/リファテールの衝撃/大学院比較文学比較文化/斬新な視点と徹底的な実証と/語彙とリズムにこだわって/インディアナ大学高等研究所フェロー/東大「諦」年退官後/これまでの研究を振り返って/東アジア文学史、比較文学の展望/『比較文学比較文化ハンドブック』について

専門研究の道しるべ