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CatalTo2018 授賞式・パーティー開催〔5〕


日時:2019年7月26日(金)15 : 50 - 19 : 00
場所:東京大学教養学部駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム3およびオープンスペース
出席者:学内外関係者51名
活動報告:(〔4〕のつづき)

・受賞者より(東京都庭園美術館 大木香奈)
 この展覧会はブラジルの日本人移民110周年を記念するもので、東京都庭園美術館と埼玉県立近代美術館の二館において開催している。会場では、ブラジルに拠点を置くベイ出版という会社が有する、ブラジルの先住民によってつくられた椅子のコレクションを紹介したが、これらの作品はブラジル国内でもあまり紹介されてこなかった。
 展覧会カタログに用いられている、動物が行進をしているかのような写真は、ベイ出版から提供された写真を用いているが、じつは全ての所蔵作品が同じ角度で撮影されており、これらの写真をカタログ内に盛り込むことには苦労をした。苦肉の策として生み出されたのが、このような動物たちが行進しているかのような構成であった。
 これらの椅子は、元々は儀式などに用いるために作られた神聖なものであるという背景をもつが、展覧会ではそのデザイン的な魅力を分かりやすく伝えることを心がけた。動物の行列というかたちは、結果的にこの目的に合うものになっていると思う。

(ここまでの文責:2020年2月18日 博士課程 中西麻依)


◎世代を超えるメッセージ賞(千葉市美術館)
『1968年―激動の時代の芸術』
・プレゼンターより(教養学部 東崎悠乃)
 1968年は自分にとって、両親が生れるより前の時代であり、自分から隔たりを感じる時代であるが、年代をピックアップしている点で面白い展覧会であると思った。時代の混沌と毒々しさを伝えてくれる刺激的なカタログである。芸術だけでなく、社会の様相まで写し込むという意味で刺激的である。1968年を経験した人にも、経験したことがない人にも手に取って頂きたいカタログである。

・受賞者より(千葉市美術館 藁科 英也)
 この展覧会を企画した学芸員の水沼啓和氏は昨年の12月20日に急逝し、私はその代理で受賞した。彼が自分の展覧会に積極的になったのは、2011年の秋に開催された『瀧口修造とマルセル・デュシャン』展からだった。その後、2014年の『赤瀬川原平の芸術原論』展を経て、昨年の『1968年―激動の時代の芸術』展へ至った。今回受賞の対象になった展覧会について私が感じたことは、この展覧会がテレビ的な構成になっているということだった。今回の展覧会の構成を見ていると、すべての出来事がテレビ的であり、それを当たり前のように思って育った人が構成した展覧会であると思った。それを本人に伝えたかったが、そのままになってしまった。皆さんに御礼を申し上げたい。

◎これっくらいではすまないで賞(東京都美術館)
『BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン』
・プレゼンターより(早稲田大学博士課程 町田樹)
 このカタログはお弁当を、人と人をつなげるメディアであると捉え、様々な角度から、人とお弁当が紡ぐ食文化について改めて考える機会を提供してくれる一冊である。このカタログにおいては、通常の展覧会カタログである「いただきます」編と、展覧会会場で行われたワークショップの模様を収録するために展覧会後に製作された「ごちそうさまでした」編の二冊に分冊されている点が特徴的である。「ごちそうさまでした」編は、作品や展示物はもちろん、展覧会というイベント自体をアーカイヴ化している。従来のカタログには見られなかった新機軸が盛り込まれているカタログである。

・受賞者より(東京都美術館 熊谷香寿美)
 東京都美術館は2012年にリニューアルをして、学芸員が企画をする展覧会を一年に一本ずつ開催するようになった。その中では、「現代作家」「アーツ&ケア」「アーツ&ライフ」の三つのテーマを設けている。今回の『BENTO おべんとう』展は「アーツ&ライフ」のテーマにあたる展覧会であり、食を通じてコミュニケーションを考えることを目的としている。カタログのデザインに関しては、二冊組で、二つのカタログをまとめるスリーブに穴が空いており、展覧会のロゴマークが見えるようになっている。またカタログと、カタログをまとめるスリーブの角を丸くすることにもこだわった。東京都美術館は、美術館が考え、提示することに対して、そこに足を運ぶ人それぞれが自身の方法で理解して、考えを深めることを大事にして企画展を作っている。この展覧会が若い院生の人たちに選ばれたということに感謝する。

(〔6〕につづく)
(2020年2月18日 文責:金洲鉉)


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