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CatalTo2017 授賞式・パーティー開催〔4〕

日時:2018年7月27日(金)16:00-19:00
場所:東京大学教養学部駒場キャンパス 18号館4階コラボレーションルーム1およびオープンスペース
出席者:学内外関係者45名
活動報告:(〔3〕のつづき)

◎CatalTo一般にオススメで賞(目黒区立美術館)
『ヨーロッパの木の玩具(おもちゃ)展――ドイツ・スイス、北欧を中心に』
・プレゼンターから
 第一に、可愛らしく色鮮やかな木の玩具の表紙が魅力的である。手に取って開いてみれば、自由なレイアウトでのびのびと、玩具の写真が掲載されている。それも、ただ玩具の写真があるというのではなく、どうやってその玩具を動かすのかが解るように工夫されていて、カタログのうえで自分が玩具で遊んでいるような気持になれる。もちろん、玩具の主要工房・年譜・地図・論文も掲載されており、情報量も多く、簡潔ながら要点を押さえたカタログである。目黒区美術館は昨年も総合賞を受賞しており、昨年に引き続き、とても素晴らしいカタログを作成されたと思う。
 可愛らしい表紙のこのカタログは、幅広い人々に訴えかけ、「カタログを手に取ること」への入り口となるものであるといえよう。

・受賞者から(目黒区立美術館・加藤絵美)
 昨年は、目黒区美術館の開館30周年であった。また、この展覧会は、アトリエ・ニキティキ(玩具の会社)の協力のもと行われた3回目の展覧会である。(ニキティキさんとは、スイスのネフ社で作られているリボン型の積み木(ネフスピールなどを中心とする)の遊び企画を毎年行ってきたという繋がりがある)
この展覧会は、現代の木の玩具の多様性を切り口とした。展覧会には、積み木やパズルといった遊び方を紹介する章もあった。また、ヨーロッパで木の玩具が盛んに作られるようになった背景として、幼児教育の祖・フレーベルの提唱した知育玩具「恩物」にも触れた。日本で初めて幼稚園を開いた御茶の水女子大学からも作品を借りた。さらに、技術的な側面にも着目した。そこでは、ドイツのエルツ地方に伝わるライフェンドレーンなどを取り上げた。
(くるみ割り人形などが有名)エルツ地方を専門とする先生の協力も得た。展覧会では、実際にエルツ地方から職人を招き、ライフェンドレーンの機械も輸入し、実演を行った。
カタログに関しては、商品カタログにならないように注意した。たとえば、現代の玩具と古い時代の玩具を融合していることを示せるように工夫した。
◎CatalToデザイン賞(サントリー美術館)
『六本木開館10周年記念展 国宝《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 修理後初公開 神の宝の玉手箱』
・プレゼンターから
 まず、表紙特殊印刷された蒔絵手箱の光沢・質感に目を奪われた。手に取ってカタログを開いてみると、右、左と二段階に開くという特殊な装幀をしており、その開け方はまるで手箱の蓋を取る動作であるかのようだった。このカタログは、図版の質・解説が充実していることに加えて、カタログが掲載されている写真を眺める図録に止まらず、作品を身体的に味わう手立てにもなり得ることを証明していよう。

・受賞者から(サントリー美術館・佐々木康之)
 この展覧会は、六本木に移動してから10周年を記念したものであった。そこで、サントリー美術館の所蔵品のなかで唯一の国宝である「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」を中心とした展覧会・カタログを作成しようとしたいと考えた。(ちょうど、浮線綾螺鈿蒔絵手箱を修理したタイミングでもあったため)
 七宝のなかでも手箱は豪華であり、その手箱のなかでも鎌倉期のものは豪華であり、その鎌倉期のなかでも「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」は特別なものであるといえよう。展覧会名には、一般の人にもキャッチ―な「玉手箱」の語を用いた。
 日本人はそもそも箱が好きである。蓋があり中身が解らないことから、呪術にも用いられ、神への奉納品にもなり、もちろん普段の容れ物の役割も果たしてきた。
 カタログでは、玉手箱を開けることを身体的に体験してもらえるような工夫を凝らした。また、浮線綾螺鈿蒔絵手箱は沃懸地(いかけじ)という金の粉末を蒔き詰めた手法が用いられているため、その色を再現するのは苦労した。さらに、カタログを手箱に見立てたかったので、外側にはなるべく文字を入れないという工夫をした。

(〔5〕につづく)
(2018年9月22日 文責:石川真奈実)


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