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CatalTo2017 授賞式・パーティー開催〔3〕

日時:2018年7月27日(金)16:00-19:00
場所:東京大学教養学部駒場キャンパス 18号館4階コラボレーションルーム1およびオープンスペース
出席者:学内外関係者45名
活動報告:(〔2〕のつづき)

◎CatalToオリンピック文化プログラム賞(小平市平櫛田中彫刻美術館)
『特別企画 メダルの魅力』
・プレゼンターから
 2020年の東京五輪に向け、政府および東京都のレベルで、オリンピックに関わる文化プログラムを展開することになっている。その文化プログラムに参加している展覧会を昨年から探していた。そのなかで見つけたのが、薄いにも拘わらず充実した本展覧会カタログであった。
 この展覧会は、近代から現代にいたるまでの日本のメダル彫刻を150点ほど集めたものである。オリンピック文化プログラムのなかで、「メダル」という「ど真ん中」を取り上げた企画力の高い展覧会となっている。岩村透の作らせた日本近代では最初の方と思われる賞のメダルが含まれており、水準の高いものであったことが窺われる。

・受賞者から(小平市平櫛田中彫刻美術館・藤井明)
 平成26年に藤井浩祐という彫刻家の展覧会を行ったことがあるが、藤井浩祐はメダル・筆皿・文鎮など多種多様な作品を残している人物であった。展示品を借りに行った際に、藤井浩祐以外のメダルも見せてもらえた。日本では、昭和初期にスポーツが盛んとなった結果、近代の彫刻家の手でメダルが作られるようになった。メダル独特の光沢、手にのせた感触、丸・四角というメダルの形のなかで工夫を凝らしたデザインなどの、立体彫刻とは別のメダルの魅力を感じ、いつかメダルの展覧会を行いたいという思いが芽生えた。
 メダル蒐集家の協力も得て、今回の展覧会開催に漕ぎつけた。しかし、小平市平櫛田中彫刻美術館は2年に1度特別展を行うことになっており、2017年は谷間の年で、あまり予算をかけることができなかった。そのため、カタログのメダルの写真など、撮影はすべて自ら行った。
 また、メダルとはもともと受賞者がいるものである。受賞者は、メダルの作家やデザインにはあまり目を向けない。それがいったん美術コレクターの手に渡ると、メダルの作られた契機よりも、作家やデザインを重視するようになる。持ち主によって価値が変化するという意味では、メダルには宗教芸術と似たような機能があるようにも思われる。

◎CatalToクロスジャンル賞(自転車の世紀展事務局)
『自転車の世紀展(THE CENTURY OF BICYCLE)』(郡山市立美術館/茅ヶ崎市美術館/佐倉市立美術館)
・プレゼンターから
 誰にとっても身近な自転車を機軸に、美術・写真・漫画・生活文化・テクノロジーといった様々なジャンルへと見る者を誘う、自転車の文化の奥深さを紹介した展覧会であった。この展覧会カタログを推薦した理由は以下の三点に集約できる。一つ目は、様々なジャンルと自転車の関わりが丁寧に述べられている点である。二つ目は、大人から子供まで楽しめるレイアウトや文章である点が挙げられる。三つ目は、巻末にまとめられた自転車の歴史が充実している点である。様々なジャンルに跨ったカタログであるため、読者がもともと持っていた興味関心から、さらに新たなジャンルへと誘っていく魅力がある。

・受賞者から(郡山市立美術館・佐藤秀彦)
 昨年は、自転車が発明されてから200周年という記念すべき年であり、三箇所の美術館で協力し、展覧会を行った。展覧会は、①自転車の歴史、②描かれた自転車(19世紀の鮮やかなポスター、明治時代の自転車など)、③現代の自転車ファッション、④自転車の未来(最新の電動アシスト付き自転車やスバルがモーターショーに出したコンセプトバイクなど)という四つのパートから成っていた。
 この展覧会カタログは、小中学生でも買える価格設定にするため、むだのないB5変形のサイズを採用するなどし、1000円での販売を実現した。各章のアイコンを自転車のデザインにし、右上の角をめくっていくと自転車が動くぱらぱら漫画になっている遊び心もある。また、来場者と自転車を結び付けるため、地元の自転車工場の見学会や、変わった自転車の試乗会、自転車で市内を巡る催しなども開催した。
 自転車は、シンプルかつミニマムなデザインであるが、人が跨ってペダルを漕がなければ完成しない。だからこそ、これからも発展の可能性がある乗り物であり、21世紀は自転車リバイバルする「自転車の世紀」になるかもしれない。

(〔4〕につづく)
(2018年9月22日 文責:石川真奈実)


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