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[寸評]「中原淳一と『少女の友』の画家たち」展

・会期:2010年1月25日〜2010年2月4日
・会場:早稲田大学會津八一記念博物館
・評者:伊藤 由紀

早稲田大学演劇博物館GCOEプログラム「演劇・映像の国際的教育研究拠点」研究員の山梨牧子氏による自主企画連続ゼミ「折衷音楽劇としての寶塚」の一環として、上記展覧会の見学会が開催されたので行ってきました。

本展覧会は早稲田大学會津八一記念博物館が所蔵する「内山基コレクション」の資料を中心に構成されています。同コレクションは、故・内山基(昭和3年早稲田大学文学部卒業、昭和6〜20年『少女の友』主筆)の手元に残された同誌の口絵原画などを、氏のご令嬢の内山美樹子氏(早稲田大学文学学術院教授)・伊藤美和子氏姉妹が同館に寄贈したものです。

収蔵品展とは概してそういうものかもしれませんが、作品の基本的な情報のほかはほとんどキャプションがなく、作品の配列順もやや不明瞭でした。『少女の友』の歴史的意義や時代背景、展覧会全体の構成意図について、もう少し説明があっても良かったように思います。今回私たちは、『少女の友』と宝塚少女歌劇の関係について、前述の山梨氏のお話を伺いながら展示を見て回りましたが、見る人の関心によってさまざまな切り口から語ることのできる展示だと感じました。

今回の展示の目玉の1つは、『少女の友』昭和9年1月号付録「小倉百人一首かるた」でしょう。村上三千穂による原画を札に加工したものが、展示ケース1つを丸ごと使って並べられています。絵札の精巧さは言うまでもありませんが、字札の散らし書きの、文字をあまり崩さない(年若い読者たちに配慮したのでしょうか)平明な美しさに目を奪われました。ただ、後で調べたところ、印刷技術の制約から、実際の付録では字札は活字印刷のものになったそうで、参考までにそちらも展示してあると良かったと思います。

出品作品の大部分が、実際には印刷を通じて受容されたということに関して、もう1点。中原淳一の少女像には、白目の一部を(おそらく睫毛の陰として)青く着色したものが多いのですが、印刷媒体で見ているときは気にならなかったこの色使いが、原画ではかなり突飛なものに感じられました。中原が印刷を前提に作品を描いていたことを窺わせる表現だと思います。

入場は無料。この展覧会に合わせて発行したカタログは特にないようですが、同館が平成12年に刊行したコレクション目録(B5版28ページ、1000円、カラー図版5点のほかは白黒)を購入できます。今回の展示の出品目録は会場で無料で配布されています。会期がたいへん短いため、興味のある方はどうぞお見逃しなく。


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