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[寸評]旅順博物館展

・会期:2007年7月14日~8月26日
・会場:青森県立美術館
・評者:檜山 智美

なぜ青森で西域美術展?

おそらく、この展覧会を知った誰もが最初に思いつく疑問であろう。

青森市と大連市の友好関係が、このかつてない展覧会を実現させた。
今年開館90周年を迎えた旅順博物館は、現在外国人には非公開らしい。大谷探検隊の発掘物を多く含むその貴重な収蔵品が、100点も出展されたこの展覧会は、当館が海外で開催するものとしては過去最大規模であった。

展示内容は「大連地区出土品」「総合文物」「新疆文物」という三つの大枠に分かれ、さらに龍谷大学所蔵の大谷探検隊資料の展示も加わり、相当に学術性の高いものとなっていたが、映像資料なども取り入れ、分かりやすい展示となっていた。

前半の青銅器や宋・金代の仏像なども目を引いたが、やはり本展の目玉は貴重な西域仏教文化の痕跡を示す「新疆文物」コーナーであろう。

今にも声を上げて叫びだしそうな表情の泥塑や、当時の筆跡や着彩を鮮やかに残す紙や布の仏画たちには息を呑んだ。
既にTVシリーズ「新シルクロード」でその成果が披露されていたが、龍谷大学のデジタル・アーカイブ技術によるベゼクリク石窟誓願図の復元映像では、各国に散在する壁画断片を繋ぎ合わせてゆく様子が詳細に紹介され、図像としても方法論としても大変に興味深いものだった。
また、梵語・トカラ語・漢文による貴重な仏典断面の数々も出品されていた。

このように、本展覧会は少しでも西域の文化に興味を持つ者にとって、貴重な史料の実物を目にすることの出来るまたとない機会であった。

なお、青森県立美術館は建築も優れており、非常に天井が高く、照明や壁の配色なども、居心地の良い鑑賞空間を演出する工夫がなされていたように思う。
常設展も近現代美術の名品揃いで、実に様々な作品をゆったりと楽しむことができる。
美術館のすぐ隣には三内丸山遺跡があり、一日では楽しみきれないほど見所満載のエリアとなっているので、近隣に行かれる方には是非青森県立美術館にも足を運んでみて頂きたい。


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